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第1227話

 自分の身体と一緒にピピの身体も丁寧に洗ったら、張っていたお湯がいつの間にか薄く汚れていた。  ――そういや、鍛錬にかまけてまたピピを風呂にいれそびれていたな……。  せっかく露天風呂を作ったのに、これでは意味がない。餌やりと同様、これも習慣づけないとダメだ。  そこそこの時間をかけてピピを綺麗にし、ついでに自分の汗も流して、最後にお湯を捨てて露天風呂を洗った。  そんなことをしていたら、とうとう兄が痺れを切らしたらしく、 「アクセル、いつまでお風呂入ってるの? もうご飯できてるよ」 「……あ、すまない。今行く。……ところで、何を作ったんだ?」 「お肉たっぷりのサンドイッチとシチューだよ。身体を動かした後はタンパク質が欠かせないからね♪」 「そ、そうか……」  案の定なメニューに、内心でこっそり溜息をつく。個人的にはそんなガッツリしたものじゃなくて、豆のスープ等のシンプルなものでよかったのだが。  気を取り直し、ベランダにあるテーブルと椅子に腰かけ、兄が作った昼食を口にした。天気のいい日は、こうして陽を浴びながら外で食事をするのが日課なのだ。 「ごちそうさま。少し休んだら鍛錬してくる」 「おや、随分張り切っているね」 「兄上と早く死合いがしたいからな。それにはもっと強くなってランクを上げなくては」 「そうかい。いいけど、頑張りすぎないようにするんだよ?」 「ああ、わかってるよ」  食器の片付けも全部兄に丸投げし、アクセルは早速愛用の二刀小太刀を持って庭に出た。  自分のランクマッチバトルは今日終わったから、しばらく飛び道具を使うことはない。やっといつもの鍛錬に戻ることができると思うと、なんだかホッとした。やはり自分は、小太刀を振るっていた方が性に合っている。 「さて、と……」  準備体操がてら念入りにストレッチし、腕立て伏せや腹筋、素振りを行った。走り込みは胃の内容物を消化し終わってから行うことにした。

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