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第1247話
「な、なんかすごい量だな……。こんなに食べられるのか?」
「もちろんだよ。鍋ならどうせ全部煮ちゃうし、煮込めば嵩も減るから食べやすいでしょ」
「まあな……」
「さ、いただこうか。豆乳鍋だから、お前もいっぱい食べてね」
豆乳鍋の元を入れ、肉や野菜を入れてぐつぐつ煮込む。
しっかり煮込んだ野菜をごまだれで食べたら、とても美味しかった。肉の旨味がスープに溶け込んでいるせいか、普通の煮込み料理より美味しく感じる。
「お前、肉ももっと食べなさい」
と、兄がこちらのお椀に肉を入れてくる。
「今日はみっちり身体動かしたんだから、きちんとタンパク質取らないと筋肉にならないよ」
「う、うん……そうだな」
「スープもちゃんと飲んでね。豆乳だから、大豆のタンパク質がたっぷり含まれているはずさ」
「…………」
言われながら、今度は「世話焼き兄さん」みたいになってるな……と思った。弟に「もういらない」と言われるのが怖くて、あれやこれやと世話を焼いて必死になっている感じ。
気持ちはわからんでもないけど、そんなことしなくても兄を「不要」だなんて思ったりしない。むしろ自分の方が、兄にいろいろ迷惑をかけて愛想を尽かされそうなのに。
「兄上」
アクセルは真面目な口調で言った。
「俺は、これからもずっと兄上の側にいるよ。例え兄上を同じくらい強くなっても、兄上をいらないなんて思うことは絶対にない。それだけは頭に入れておいてくれ」
「え……」
「ほら……俺はこの通り、危機感が薄いし罠にもしょっちゅう引っ掛かっちゃうし。兄上が助けてくれないとすぐ棺行きになっちゃうんだよな。この歳になっても兄頼りとか『甘ったれ』と思われそうだけど、今更この性格は変わらないし……だからこれからも、側で俺を見守ってくれると嬉しい」
「アクセル……」
兄は目を丸くしてこちらを見た。鍋をよそっていた手も止まった。
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