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第1251話

「な、なんでしょうか……?」  何となく想像はついたが、恐る恐る聞いてみる。  というか、今日はいつもより目が据わっているように見えるのだが、気のせいだろうか……。 「お前、洗濯中にジークとお話してたんだよね?」 「あ、ああ……。でも本当に変なことは話してないぞ? やましいこともしてないし、何なら触れてもいない」 「それでもねぇ……私があれこれ考えている時に、ジークと会話してスッキリして帰ってきたってのが、どうもねぇ……」 「それは……すみません……」  納得はできなかったが、とりあえず素直に謝っておいた。  兄の発言は無茶苦茶だが、ここで反発してしまったら大喧嘩になりかねない。それに、兄の気持ちも三割くらいはわかるので、「それは理不尽だろ!」と言い返すのも気が引けた。 「まあ、お前のことだから会話以外本当に何もしてないんだろうけどねぇ……」  と、兄が服の裾から手を突っ込んでくる。その手つきがやたらとねっとりしていて、ぞくっと背筋に痺れが走った。 「でもほら……ジークってあの通り、すごく面倒見がよくていい男じゃない? 弱っている時に優しくされると、つい揺らいじゃうんだよね。だから、お前まで誘惑されたらどうしようって心配になっちゃって」 「いや、それは……」  何の心配をしてるんだ、と言いたい。自分はジークと浮気なんてしないし、兄のように揺らいだりもしない。  だいたい、弱った時に浮気に走ってしまうのは兄であって、アクセルがそういった方向に走ったことは一度もない。弱った時はピピに本音をぶちまけて、寄り添って慰めてもらうくらいだ。少なくとも、人を相手にしたことはない。  ――兄上と一緒にするなよな……。  釈然としなかったが仕方ない。ここはおとなしくしておこう。  だがそんなアクセルをからかうように、兄が上にのしかかってきた。 「……ま、お前が浮気と無縁なことはわかってるんだけどね。でも気持ち的にちょっと納得できないから、今日は少し酷くしていい?」

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