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第1257話*

 すると兄は嬉しそうに笑った後、サイドテーブルに置いてあったもうひとつの道具を手に取った。 「わかったよ。じゃあ次はこれだ。前を向きなさい」  言われた通り、そろそろと身体を起こして仰向けに寝転がる。そうやって動くだけで下腹部がゴリゴリ擦れたが、どうにか我慢しておとなしく兄を見上げる。  一方の兄は楽しそうな笑みを崩さず、手にした道具を片手でくるくる弄び始めた。細い棒のような道具なので、兄が持つとボールペンのように見えてくる。 「これ、どうやって使うかわかる?」 「……? どうって……」  少し考えてみたが、パッと思いつかない。後ろに入れるには棒が細すぎるし(そもそも、既に後ろにはボールチェーンが入っている)、口に咥えるとも思えない。拘束用の棒にしては短いし、どこかをくすぐる道具でもなさそうだ。  はて、と首をかしげていると、兄は先程より更に楽しそうな顔になってアクセルの股間を掴んだ。 「これはね、ここに入れるんだよ」 「へっ……?」  言われても、すぐには意味が理解できなかった。  入れる? その棒を? 陰部に? どうやって? 大きさからして、入るわけがないと思うんだが……。 「というわけで、いい子にしててね。暴れると大事なところに怪我しちゃうかもしれないからさ」 「えっ……!?」  そう言って兄は、棒の先端を軽く舐め、濡れた鈴口に近づけてきた。  尿道口を探し当てるように切っ先を擦られ、とうとう先端が数ミリ挿し込まれてしまう。  予想外の衝撃と冷たい金属に、思わず「うっ……」と呻き声が漏れた。 「ちょ、ちょっと待ってくれ! 本当にそんなところに入れるつもりか!? 先っぽだけならともかく、全部なんて絶対無理だよ!」 「大丈夫、お前なら入るよ。前にこよりを入れたこともあるじゃない」 「あ、あれはこよりだったからで……!」 「ほら、いいから大人しくしてて。でないと本当に怪我しちゃうよ。お前だって、『アソコを怪我したから泉に来ました』なんて嫌だろう?」

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