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第1263話*

「……おや、誘ってるのかい? ほんと、見た目によらず好き物だね」 「好き物、じゃなくて……兄上が好き……んっ」 「……!」 「道具も、いいけど……やっぱり俺は、兄上がいい……!」  これが自分の正直な気持ちだった。  道具を使われるのは嫌いじゃないが、どうせやられるなら兄本人にやられたい。どうせ受け入れるなら、ボールじゃなくて兄そのものが欲しい。  そう訴えたら、奥深くに食い込んでいる兄が一回り大きくなった。  ぐうっと内襞を押し広げられ、より強く中を圧迫され、息苦しさと快感が増していく。 「あっ、あっ……んあぁっ!」 「……ほんと、お前は私を煽るのが大得意だね。無意識にやってるんだろうけど、無意識だからこそ意図せず他の人にやってしまわないか、毎回心配になるんだよなぁ」 「んんっ……! ほ、他の人には、こんなこと言わな……あっ!」 「まあそうだね。それでも、心配なことは変わりないからさ。……やっぱりずっと私の側に置いて、見守ってやらないとダメだ」 「ふ、ぐっ……!」  一際強く最奥を突かれ、がくんと顎が跳ね上がった。そのまま何度も弱い部分を抉られ、背中が弓なりに反り返って溜まった涙が目から飛び散る。  細い腰をがっちり掴まれ、これでもかと全身を揺さぶられ、とうとう力が抜けてしがみついていた手がずるりとベッドに落ちてしまった。  それを頭の横で恋人のように握られ、喘いでいる唇も一緒に塞がれてしまう。 「んんっ……! んふ、ふ……うぅ、ん……!」 「ああ、もうイっちゃいそう……。いっぱい出すから、全部受け止めてね」 「う、んッ! ん、ん、んうぅ……っ!」  どくん、と兄が大きく脈打った。  絶頂の気配を感じてまた背筋がぞくぞくし、強烈な痺れが全身にぶわあっと広がっていく。 「ふ、ふ……んん――ッ!」 「っ……!」  びくん、と一際大きく身体が跳ねた後、兄の熱が大量に注ぎ込まれた。心なしいつもより量が多く、一回目にも関わらず下腹部が張るような感覚を覚える。

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