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第1271話

 アクセルはランキング表を受け取って、サッと目を通した。  チェイニーの言う通り、そこには一位から一〇〇位までの上位ランカーの名前しか掲載されておらず、それより下は全部省略されていた。  ヴァルハラの戦士は全部で三〇〇〇人近くいるのに、これではほとんど意味をなさない。  ――なんか……ヴァルキリーの仕事って、ところどころズレてるんだよな……。  そもそも上位ランカーはそんな熱心にランクを確認しないのだから、本当に混雑を緩和したいなら下位ランカーだけのランキング表こそ作るべきだ。もしこの場にヴァルキリーがいたら、「違うそうじゃない」と激しくツッコミを入れていたかもしれない。  やれやれ……とランキング表を返却しようとした時、下の方に自分の名前が見えたような気がした。  あれ? と思ってもう一度よく見たら、九十七位のところに確かに「アクセル」と書かれていた。間違いじゃないかと思って何度も見直してしまった。 「……え? 九十七位? 俺が? マジで?」 「そうだよ。アクセルもとうとう二桁戦士に突入したんだね。おめでとう!」 「あ、ありがとう……。でもこれ本当なのか? 別に俺、死合いで連勝したとかそういう活躍はしてないんだが」 「してなくても、ポイントで見ると相対的に上がってるんだよ。先月は新しくランクマッチが解禁されたから、それによるポイント変動も大きかったのかもね」 「? ランクマッチは公式のランクに影響しないんじゃないのか?」 「加算はされないけど、ルール違反の減点はあるでしょ。始まったばかりでルールが定着してなかったのもあって、細かい違反は数えきれないほどあったんだってさ。……ほら、そのせいでランゴバルト様も三位に落ちてるじゃない?」  見れば、ずっと二位をキープしていたランゴバルトが珍しく三位に転落していた。代わりに二位になっているのは何故かジークで、三位の兄は四位に、四位のユーベルは五位になっている。

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