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第1275話

 ベランダの出入口からスタートし、武器庫の前を通過して、露天風呂、ピピの小屋……それからまたベランダに戻ってくる。  ――走ってみてわかったが、確かにちょっと庭がごちゃごちゃしてるな……。  素振りや打ち込み等をするのは庭の真ん中だから、ランニングコースに引っ掛かることはない。  が、これまで様々な方法の鍛錬をしてきたので、その器材があちこちに点在している状態だった。太刀筋矯正のための柱が立っているかと思えば、的当ての的が散らばっていたり、打ち込み用のサンドバッグもあちこちに置かれている。全面的な改装とまではいかないが、確かに一度整理整頓はするべきだろう。 「なあ、ピピは今の小屋、気に入ってるか? 場所とか移しても平気かな?」 「ぴ?」 「実は兄上と、庭を整備し直そうかって話をしててな。今のままじゃごちゃごちゃしすぎているから、生活スペースと鍛錬スペースをちゃんと分けようかと思うんだ」 「ぴー……」 「もちろん、小屋ごと移動させるなら一度解体して作り直さないとダメだけどな。でも、どうせ解体するならもっと大きい小屋に作り直すこともできると思う。どうだ、ピピ? 今の小屋は狭くないか?」  隣で並走していたピピは、ちょっと首をかしげた後、こう答えた。 「ピピ、いまのおうちすき。アクセルもいっしょにねるの、ちょうどいい」 「あ、ああ……そうだな。俺がお邪魔しても、そこまで狭くなかったもんな……」  いつぞや、どうしても一人で眠れずピピの小屋に入ってしまったことがある。あの時はそうするしか夜を明かす方法がわからなかったのだが、振り返ってみればなかなか恥ずかしい話だ。 「じゃ、じゃあ小屋の大きさはそのままでいいか。場所は移動しちゃうけど、いいよな」 「……ピピ、べらんだのちかくがいい。とおくはいやだ」 「わかってるよ。生活スペースはベランダ付近に集めるから、むしろ今より近くなるかもしれない。まあ、やってみないとわからないけどな」 「ぴー♪」

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