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第1294話*

「まあどちらにせよ、私がお前のこと大好きなのは変わらないよ。整った顔も真面目な性格も、引き締まった身体も全部好き。抱くといい顔で鳴いてくれるところも、本当に愛しく思ってるよ」 「……あっ……」  服の裾から兄の手がすべり込んできた。そのまま胸の突起を弄られ、ぴくんと肩が震える。 「っ、んっ……は……あ……」 「声が控えめなのも好きなんだよね。やっぱり変な声を出すのは恥ずかしいのかな?」 「うっ……ん……」  小さくこくこくと頷いたら、兄は満足げに口角を上げた。 「ふふ、そういうところもすっごくそそられるね。最初は一生懸命声を抑えているのに、結局我慢しきれずいやらしい声を出しちゃうところ、本当にぞくぞくするよ」 「あうッ……ん!」  ひときわ強くキュッと乳首を捻られ、アクセルは尖った声を漏らした。言われた直後に変な声が出てしまい、慌てて唇を引き結ぶ。  何度経験しても、やっぱりこういう時の声は恥ずかしい。自分がいやらしく喘いでいるのも嫌だし、喘げば喘ぐほど淫乱に成り下がっているみたいでいたたまれなくなる。自分ばかり反応して、兄は楽しそうにこちらを弄んでくるところも複雑だった。  これではまるで、自分だけが一人愉しんでいるみたいで……。 「兄上……」  アクセルは思い切って兄のバスローブを掴み、胸元の合わせ目からそろそろと手を入れてやった。  思った以上に分厚い胸板に圧倒されかけ、そのたくましさに胸を高鳴らせていると、 「おや、誘っているのかい? お前、時々びっくりするほど大胆になるよね」 「ち、違うよ……! 俺はただ、兄上も同じように楽しんで欲しいだけで……」 「それは誘ってるのと同じだよ。それに、私だって十分楽しんでいるさ。お前の反応、見てて飽きないもの」 「あっ、ちょ……」  手早く就寝着を剥ぎ取られ、アクセルはあっという間に下着一枚の格好にさせられてしまった。

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