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第1333話(アクセル~フレイン視点)
「……なんだ?」
何事かと思い、アクセルは家の外に出た。
すると、目の前には驚愕の光景が広がっていた。
***
それより数分前のこと。
――あーあ……気が進まないなぁ……。
家の外に出ながら、フレインは内心溜息をついた。後ろからは、木の棒を持ったアーダンが偉そうについて来ている。
――何でこんなに偉そうなの、この子……。意味わかんない……。
子供は嫌いじゃないけど、こういう身の程知らずでひねくれた子供は苦手だ。自分の弟 が素直で可愛いタイプだから、どうしてもそれと比べてしまう。
それとも、このくらいの年頃の男児ってのはみんなこんなものなんだろうか。弟はこんな態度絶対にとらなかったから、よくわからない。
――仮にこれが普通だとしたら、アクセルはよっぽどいい子だったんだなぁ。
まあ、うちの弟が素晴らしすぎたと思うしかないか……。
「んで? 何をすればいいんだ? 早く強くなれる方法教えてくれよ」
相変わらず偉そうに聞いてくるアーダン。
今度こそ盛大な溜息をつき、フレインはくるりと彼に向き直った。
「……言っておくけど、早く強くなる方法なんてないからね。みんな地道に毎日鍛錬して、それで少しずつ強くなっていくんだよ。一朝一夕にどうにかなるなんて考えない方がいい」
「なんだよそれ。お前、あっちの赤い方より強いんじゃねぇのかよ」
可愛い弟を「赤い方」呼ばわりされて、ちょっとイラッとした。
「まあアクセルよりは強いけど、それはアクセルより長く鍛錬してるからだよ。少なくとも私の方が十年くらい多く鍛錬してる」
「……え、十年? お前ら、そんなに差があるのか?」
「あるよ、見た目じゃわからないけどね」
見た目の年齢はどちらも二十七歳前後だが、中身の年齢は「生前+ヴァルハラで過ごした年数」なので、もともとの十一歳差は変わっていないのだ。
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