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第1359話
比較的おとなしいピピにしては終始テンションが高く、ご機嫌に飛び跳ねたり鳴いたりしていた。
――よっぽどいいことがあったんだな。里帰りが楽しかったなら何よりだ。
ピピを横目に見つつ、アクセルはランニングを続けた。
ランニングが終わり、軽くシャワーをした後自分たちとピピの朝食を作る。せっかくなのでピピ用に豆のスープを調理してやったら、ピピはものすごく喜んでくれた。
「それで、今日は何しようか?」
コーヒーを飲みながら、兄が尋ねてくる。
「私としては、山に狩りに行きたいところだけど」
「ああ、狩りも悪くないな。でもどうせなら、ちゃんと準備して朝早く出掛けた方がいいんじゃないか? 大物を狩るつもりなら、罠や武器の準備も必要だろうし」
「そうかい? じゃあ私は、鍛錬場で一人鍛錬でもしようかな。たまには真面目にやらないとランクが下がってしまいそうだ」
「兄上なら、そう簡単にランクは下がらなさそうだけどな。というわけで、狩りはまた近いうちに」
朝食の片付けをして、アクセルは庭に出た。どうせなら鍛錬がてらリフォームの前準備もしてしまおうと思い、ピピの小屋を移動し、的当てや太刀筋矯正の丸太を全部撤去して、庭にあったものを全部ベランダ側に寄せた。
これだけでも結構な重労働になり、全てを完了する頃には夕方になっていた。重い物もたくさん運んだので、下手な筋トレよりも効いたかもしれない。
「ありゃ、随分庭が綺麗になっちゃった」
夕方、帰宅した兄が庭を見て目を丸くした。
「お前、一人で全部整理整頓したの? というか、やるならお兄ちゃんも手伝ったのに」
「今あるものを移動させただけだから大丈夫だよ。それなりの運動にもなったしな。材料の調達とか、新しく何かを作る時は手伝ってもらえると嬉しい」
テキパキと庭を片付け、アクセルは家に戻った。これで後は材料を調達するだけだ。
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