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第1387話
「お前って、時々思い切ったことをするよね。リスクのあることも平気でできちゃうというか」
「でもコピーすること自体はいいことだろ? あんな暗い中、自分の名前を探すなんて不可能に近かったんだよ」
「うん、気持ちはわかる。だけど、できればそういう行動を起こす時は事前に言って欲しいな。何があるかわからないんだし」
「大丈夫だよ。俺も子供じゃないんだから、ある程度の注意はできる」
そう答えたものの、兄はあまり信用してくれず「そんなこと言って、すぐに罠にかかるじゃない」と突っ込まれてしまった。
適当に笑ってごまかしつつ、アクセルは早速コピーしたトーナメント表を凝視した。字は細かかったものの、明るいところで見れば読めないほどではなく、何とか片っ端から見ていくことができた。
「あ、あったあった」
アクセルは第三トーナメントに組み込まれていた。初戦の相手は聞いたことのない相手だったが、偶然なのか仕組まれたのか、同じトーナメント内にチェイニーやアロイス、コニーの名前まであった。
「うわぁ……なんだこのトーナメント……。顔見知りばっかりなんだが」
「うん? どれどれ?」
兄がひょいとトーナメント表を奪い取り、ざっと目を通す。そしてさも愉快そうに言った。
「はっはっは、これは傑作だねぇ。知り合い大集合のトーナメントじゃないか」
「笑いごとじゃないだろ……。お互い手の内を知ってるんだから、やりにくいことこの上ないよ」
「そうかな。知っているからこそ、楽しい死合いができそうだけどな。この同期のチェイニーくんだっけ? 彼が戦うところなんて見たことないから、逆に興味深いよ」
「……まあ、それはそうなんだが」
「というか、そもそも当たらないことだってあるじゃない。お前は勝ち上がること前提としても、相手が途中で負けちゃう可能性もあるんだし」
「ま、まあな……。それはそれで残念だが」
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