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第1388話
知り合いと戦うのはやりにくいが、だからといって途中で敗退してしまうのは悔しいという複雑な心境である。他のトーナメントに組み込まれていれば、ここまでそわそわした気持ちにはならなかったものを。
「まあとにかく、お前はトーナメント頑張りなさい。優勝したら私と死合いができるんだ、一回たりとも負けてはいけないよ」
「わかってる」
「知り合いだからって遠慮して、力を出し切れずに敗北……なんてことにもならないようにね」
「わ、わかってるよ。そこはちゃんと全力を出すから心配するな」
さて、初戦の相手は誰だろう……と、アクセルはトーナメント表を眺めた。見たところ、「ショーン」という戦士のようだった。名前だけではどんな人物かわからない。
――しかし、ショーン……? どこかで聞いたことがあるような、ないような……?
はて……と首を捻る。
単に他の人が話しているのを聞いただけだろうか。自分にはショーンなんて知り合いいないし、気のせいかもしれない。忘れていたら申し訳ないが。
「さてと……今日はもう遅いし、そろそろ寝ようか。おやすみ前のホットミルクはいるかい?」
「いや、大丈夫。ミルクなしでもよく眠れそうだ」
そう言って就寝着に着替え、寝室に行って自分のベッドに潜り込んだ。目を閉じてじっとしていたらあっという間に眠気が襲って来て、朝まで熟睡してしまった。
***
翌朝から、アクセルはせっせと鍛錬に励んだ。いつもより三〇分早く起床し、朝の走り込みとストレッチ、腹筋・背筋・腕立て伏せなどの基本的なトレーニングを少し長めに行う。
それから朝食をとり、再び庭でトレーニングを再開していると、
「おーい、アクセル」
外から庭を覗き込んでいる人がいた。同期のチェイニーだった。
「ああ、チェイニーか。おはよう、今日はどうしたんだ?」
「トーナメント表の確認はできてるか声をかけに来たんだ。今なら若干世界樹 前も空いてるからチャンスだよ」
「そうか、わざわざありがとう。でも大丈夫だ、昨日の夜のうちに確認したからな」
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