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第1389話
「え、そうなの? 夜に確認なんて、見づらくなかった?」
「そう思って、実は……」
アクセルは簡単に説明してやった。
暗くて字も細かかったので、トーナメント表を剥がしてコピー機で縮小コピーしてやったこと。コピーしたトーナメント表は今家にあること。確認したら、自分とチェイニーが同じトーナメント内にいたということ……等々。
「へー、そうなんだ。それはまた行動力があるというか」
チェイニーが半ば呆れたように言う。
「というか、オレとアクセルが同じトーナメントに組み込まれてるの知った時、ちょっとびっくりしたね。今回、知り合いと組まされている人が多い気がするよ」
「そうなのか? これもヴァルキリーたちの企みなのかな……」
「知らないけど、オレは多分勝ち上がらないから安心していいよ。アクセルは優勝目指して頑張ってな」
そうチェイニーが言うので、アクセルは片眉を上げて首をかしげた。トーナメントが始まる前から諦めモードなのがどうにも解せなかった。
「何で勝ち上がらないって決めつけてるんだ? チェイニーも頑張ればいいじゃないか」
「いや、頑張ったところでオレにとってはあまりメリットないからさ」
「……え、そうなのか?」
「そうなんだよ。トーナメント優勝で得られるものって、好きな上位ランカーに挑戦できる権利じゃん? でもオレは誰かに挑戦する気なんてさらさらないし、上位になりたいとも思ってない。賞金が出るなら考えるけど、そうじゃないならそこまで頑張る価値はないよ」
「そ、それはまあ……」
「それに、仮に優勝して誰かに戦いを挑んだとしても、上位ランカーはまぐれで勝てるほど甘くないからね。返り討ちにされておしまいだよ。実力がない人が優勝しても、何の意味もないわけ」
「そうかな……」
「多分、中堅以下の戦士はみんな同じように考えてると思うよ。上位ランカーへの挑戦権に喜んでいるのは、『もっと上を目指したい、でもこれ以上は層が厚すぎてなかなか上がれない』っていう、中の上の戦士くらいじゃないかな。だから、最初のうちは不戦敗で終わる死合いも多いだろうね」
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