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第1414話*
「そんなわけないだろう? 片方だけじゃバランス悪くなっちゃうもの。両方しっかり鍛えないと、いざという時に踏ん張れないよ」
「でも、こんな……」
「ほら、つべこべ言わない。ちゃんとやりきったらご褒美あげるから」
問答無用で立たされ、今度は左足を持ち上げられて後孔に指を突っ込まれる。
「うっ……く」
ぐちゅ、と中を掻き回され、反射的にぞくぞく痺れが駆け上ってきた。が、何とか倒れないように踏ん張り、なるべく感じないよう必死で堪える。
――うう……頼むから早く終わって……!
頑張って別のことを考えようとしたけれど、先程より中が敏感になっているらしく、すぐに意識がそちらに持っていかれてしまう。少し指を動かされただけでもぴくりと肩が震え、自分の中心も熱くなっているのがわかった。
内襞もきゅうきゅう締まって兄の指を締め付けているし、腹の奥もだんだん疼いてきてもっと強い刺激が欲しくなってくる。
指じゃなくて兄自身を……。あの太くて硬いもので、思いっきり中を……。
「あっ……う」
がくん、と膝が崩れそうになり、アクセルは我に返って頭を振った。
――だ、だめだ……そんなこと考えてる場合じゃない……!
どうにか官能的な欲求を追い払おうと、一生懸命別のことを考えようとする。
ここで倒れたら、どんなお仕置きをされるかわかったものではない。何が何でも耐えきらなくては。
ええと……さっきまで何を考えていたんだっけ。幻影の道に関することだっけな。
まあ幻影でも偽物でも何でもいいんだが、とにかくヴァルハラは神の国に位置しているだけあって不思議なことが頻発する。「そんなこと起こるわけないだろう」と常識で考えるのではなく、「これも魔法の仕業なのか」と認識した方がいいかもしれない。
それで罠にかかる確率が下がれば、兄に心配かけることも少なくなるし……。
「あう……ッ!」
一際強くゴリッと奥を抉られ、アクセルは尖った悲鳴を上げた。
その刺激で危うく転びそうになったけれど、どうにかこうにか下半身に力を込めてバランスを保つ。
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