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第1417話*
「やっ、あっ! 待っ……だめ、はげしぃ……っ!」
「うん……やっぱりこうやって乱れてるお前は絶品だ。顔も可愛いし、声もエロい。見てるだけで興奮しちゃうよ」
「あぅッ、ん! ああだめ、兄上……だめだ、ってぇぇ……!」
またズン、と腹の底を突かれ、衝撃で頭が反り返った。
一番弱い直腸の曲がり角を刺激され、前立腺の裏側も余さず擦られ、全身にぶわあっと快感が広がっていく。
爪先までぶるぶる震え、のしかかってくる兄を押し返すこともできないまま、アクセルはただひたすら中を犯され続けた。
「んっ、く……ふ、うぅ……」
「ああ……やっぱりお前の中は、すっごく気持ちいい……。熱くとろけてて、そのくせぎゅうっと締まって、私を歓迎してくれるんだ……。もう最高だよ……」
「あっ、はっ……あぁっ、あん」
「お前は私のこと、『絶倫』って呆れてるかもしれない。でも私は、お前との行為すごく好きだよ。この時だけは、肉親に思いっきり甘えられる気がするんだ」
「……!」
それを聞いて、アクセルはハッとした。容赦ない快感に悶えながらも、頭の中では兄の心の内を覗き見たような、妙な納得を覚えていた。
――そうか……兄上は母上に育ててもらえなかったから……。
一番母親に甘えたかったはずの幼少期に、それが叶わなかった。それどころか母に弟を押し付けられ、その世話に奔走し、いつの間にか愛情を注ぐ側になってしまった。自分はロクな愛情を得られなかったのに、本当はいっぱい愛されたかったのに、その時期がないまま大人になってしまった。
それが、今更になって反動が来たのかもしれない。
きっと兄は、弟に欲望をぶつける一方で、肉親からの愛情を確かめているのだ。欲望剥き出しの子供になっても相手は自分を受け入れてくれるのか。そのままの自分を認めて愛してくれるのか。それを確かめ、安心したいのだ。
行為としては兄が自分を抱いているけれど、心理的には自分が兄を抱いている……。
「あ、にうえ……」
アクセルは懸命に腕を伸ばし、兄をぎゅっと抱き締めた。開いた足も腰に絡めて、ぐいっとこちらに引き寄せてやる。
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