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第1425話

 念のため、二桁台のランクを確認する。  いやでも、最初からいきなり自分より高ランクの相手と当たるか、普通? マッチングはランダムとはいえ、初戦の相手だぞ?  自分のランクは九十七位で、ヴァルハラには全部で三〇〇〇人近い戦士がいるから、ざっくり計算で下に約二九〇〇人、上に約一〇〇人の戦士がいることになる。  そんな、全体の約三パーセントしかいない相手を初戦でいきなり引き当てるなんて、あるわけが……。 「……え?」  ようやく「ショーン」の名前を見つけ、思わず二度見してしまった。何度も確認したけれど、やっぱり見間違いではなかった。 「よ、四十九位!? 俺なんかよりずっと高いじゃないか……!」  自分はまだ九十七位。ほとんどダブルスコアをつけられている状態だった。十位くらい上だったら何とかなるかなと思っていたのに、こんなに上だなんて聞いていない。  よりにもよって、何故初戦から自分より高ランクの相手と戦わなきゃならないんだ。始まる前から前途多難なんだが。  ――うう……一気に自信なくなってきた……。  がっくり肩を落とし、アクセルは家に戻った。これは早めに対策を立てないと、一戦目から敗北してしまう可能性がある。  これではトーナメントを優勝するどころの話ではない。 「……兄上、どうしよう。大変な事実が判明した」 「うん? どうかしたの? なんかものすごく暗い顔してるけど」 「実はその……」  事情を説明したら、兄はポカンとした顔になった後、すぐに軽やかに笑い飛ばしてきた。 「ははは、それで怖じ気付いちゃったわけか。お前もなかなか繊細だねぇ」 「笑いごとじゃないだろ。五〇位近く差をつけられているんだぞ。そんなの、楽に勝てる気がしないよ」 「おや。お前はトーナメントを楽に勝とうとしてたのかい?」 「あ、いや……そういうわけじゃないけど、初戦くらいは危なげなく勝ちたいじゃないか」  アクセルの目標は、あくまでトーナメントの優勝なのだ。初戦で躓いているわけにはいかない。

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