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第1440話

 スタジアムから家に戻る中で、あれこれ考える。  ――ショーンさんにはああ言われたけど、俺の判断は間違ってないと思う。  不戦勝が嫌なわけではない。死合い当日になって相手が急に来られなくなった結果、判定勝ちするのはやむを得ないと思っている。  でも、前日に相手に「来ないでくれ」とお願いするのは違うし、そんな風にして勝ったところで実力には結びつかない。全力で戦った結果負けたのなら吸収できるところはあるけど、そうでない勝利には何の意味もないのだ。  アクセルの目標は、あくまで「実力をつけてランクを上げること」。兄と対等に戦えるようになるまでは、しっかりと実力を磨かなくては。  そう思い、帰ってからも庭でせっせとトレーニングに励んだ。明日に響かないよう、無理はせずに調整するだけに留めておいた。  そうして夕方まで一人で過ごしていたのだが、夕食間近になっても兄は帰ってこなかった。  ――ランゴバルト様との模擬戦が白熱しちゃったのかな……。もしかしたら今、棺に入っているのかも……。  確認のために、アクセルはオーディンの館まで行ってみた。そこには大量の棺が並んでおり、そのうちの半分くらいは使用中になっていた。 「すみません、ここに兄……ええと、フレインはいませんか?」  棺係に尋ねたら。彼は「ああ……」と苦笑いして答えた。視線でとある棺を示し、こう教えてくれる。 「数時間前に運ばれてきたから、そこの棺に入ってるよ。ちなみに、隣のXLサイズにはランゴバルト様が入ってる。二人共、何をどうしたらこうなるのかっていうくらい、めっちゃくちゃになってたけどな」 「ええ……? めっちゃくちゃって、どういう……」 「だから、めちゃくちゃだよ。両腕も両脚もないし、胴体も半分抉れてたし。頭部の損傷も激しかったから、全快するには相当時間がかかると思うぞ」 「うえぇ……」  それを聞いて、ちょっと引いてしまった。

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