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第1445話※
めまいを抑えて体制を立て直そうとしたら、間髪入れずに二撃目のハンマーが振り下ろされ、ほぼ反射的に横に避ける。
思った以上に素早い攻撃に、アクセルは舌を巻いた。
――やっぱり早いな……!
重量級の武器は、一撃一撃は重いものの攻撃モーションが遅くなって隙が生まれやすいという欠点がある。
だからパワー系の戦士はそれをカバーするために鎧を纏ったり、自分の筋肉量を増やして少しでも早く武器を振るえるよう努力しているのだ。
一方アクセルのようなスピード系の戦士は、手数は多いが決定打に欠けるというデメリットがある。一撃入れたくらいでは相手に致命傷を負わせられないから、何度もダメージを与えること、あるいは急所に入れることが求められるのだ。
だからアクセルが勝つには、ショーンの隙を突いて首を斬らなければならない。
――でも……。
薙ぎ払うようにハンマーを振り回され、危うく胴体に直撃するところだった。
一度距離を取って様子を見ようとしたものの、すぐさま距離を詰められ勢いよくハンマーを振り下ろされてしまう。
それも何とか避けたが、地面を叩く時にドーンと派手な音がして、軽くそこが割れて砂利が飛び散った。
――くそ……隙がない……!
ランクが高くなると、パワー系戦士と言えども隙が少なくなる。
そうなるとスピード系戦士は不利になるばかりで、相手の攻撃を避けたり距離を取ったり等防戦一方になりがちだ。何とか反撃の糸口を見つけて、攻勢に転じたいのだが。
――こうなったら……。
ちょっと早いけど仕方がない。一足先に切り札を切ってやる。
「……タアアァァッ!」
一声叫び、アクセルは狂戦士モードに突入した。
今までより身体が軽くなり、動体視力も飛躍的に上がってショーンの動きが緩慢に見えてくる。
「ハアアッ!」
アクセルは素早くショーンの懐に飛び込み、両手の小太刀をクロスするように振り下ろした。
ショーンは後ろに仰け反って避けたが、服の胸元がパックリ裂け、頸動脈にも薄く刃が入ったみたいだった。
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