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第1446話※
ぷしゅ、と軽く血が噴き出し、返り血が少し目元に飛んでくる。
――くそ、浅すぎたか……!
せっかく首元へ攻撃を入れられたのに、この一撃で決められないとは。もっと深く踏み込んでおけば完全に断ち切れたものを。
「……オオオオォッ!」
次の瞬間、ショーンのオーラが一気に爆発した。彼自身も狂戦士として覚醒し、動きの俊敏さが格段に上がっていく。
「っ……!」
視界の横からハンマーを振り回され、アクセルは反射的に身体を捻った。
直撃は免れたものの脇腹を叩かれ、軽々とスタジアムの壁まで吹っ飛ばされてしまう。壁に全身を強打し、衝撃に一瞬息が詰まった。
狂戦士モードなので痛みはなかったが、喉元から鉄の味が込み上げてきて少し動揺しそうになる。どうやら内臓の一部がやられてしまったようだった。もし今の攻撃をもろに食らっていたら、内臓の一部では済まなかったかもしれない。
――強い……!
さすがに五〇位以内の戦士は、そこら辺の戦士とは実力が違う。たった一撃のミスが命取りとなり、手酷い反撃を受けて致命傷を食らってしまう。
今はまだ動けているものの、内臓がやられているならあまり長くは保たない。そろそろ決着をつけないと、こちらの体力が先に尽きてしまう。
「今の一撃はよかったぜ、アクセルよ」
「……!」
「さあ、もっと激しく戦おうじゃないか!」
そう挑発され、アクセルの中で何かが弾けた。血の流れが更に加速し、心の底から歓喜や興奮が湧いて来る。
そうだ、もっと戦いたい。勝ち負けとか目的とか、そんなことはどうでもいい。
今はただ純粋に、戦いそのものを楽しみたい。お互い全力を出し合って、ギリギリの攻防を繰り広げ、命を燃やして死合いたい……。
「はい!」
アクセルは夢中でショーンに斬りかかった。興奮のあまり口が勝手に笑みの形をとっていた。口角から血が溢れてきたけれど、そんなことは全く気にならなかった。
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