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第1449話(フレイン視点)

「……ありゃ?」  棺の中で目覚めたフレインは、むくりと身体を起こした。  棺が並んでいるオーディンの館には既に西日が射し込んでおり、もう夕方近いことが窺える。  ああ、そうか……自分はランゴバルトと模擬戦を行って、最初は乗り気じゃなかったけど結局白熱しちゃって、気づいたらお互いボロボロの状態で戦闘不能に陥って……。  ――って、私は一体何日ここで寝てたんだ?  慌てて近くを通りかかった係に尋ねる。 「ねえ、私っていつからここで寝てた?」 「ええと、フレイン様は約三日ですね。運ばれてきた時は本当にめっちゃくちゃだったので、普通より時間がかかったみたいです」 「三日? そんなに?」 「はい。記録を見てみますか?」  係が持っていた記録ボードを見てみたら、本当に三日前から棺に入れられていたようだった。三日も寝ていたのは本当に久しぶりで、上位ランカーになってからは多分初めてだと思う。  模擬戦だから、仮に棺送りになったとしても半日くらいで復活できると思ったのに……とんだ大誤算だ。  ――じゃあ、アクセルの初戦は見逃しちゃったってこと……?  急いで記録ボードをめくってみたら、前日に運ばれてきた戦士リストのところに「アクセル」の名前があった。死合いで命を落としたことは明白で、今もまだ蘇生の最中らしい。完全復活にはもう少し時間がかかりそうだ。 「……うん、わかった。ありがとう」  記録ボードを係に返し、フレインはアクセルの棺の前にしゃがみ込んだ。  そして囁くように話しかける。 「……ごめんね、お前の死合い見られなくて。でもお前が頑張ってきたことはわかるよ。お疲れ様。今はゆっくり休んでね」  立ち上がり、オーディンの館を後にする。  とりあえず死合い結果を確認しに行こう。死合いは見られなかったけど、結果がどうなったかは気になるし。  そう思い、フレインは世界樹(ユグドラシル)に向かった。

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