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第1451話(フレイン視点)
とはいえ……と、フレインは思う。
――アクセルは私がいなくても、ちゃんと結果を出してこられるんだよなぁ……。
死合いを見逃したのはフレインにとって致命的ミスだったが、アクセルにとってはさほどの影響はなかったらしい。
多少はがっかりしただろうが、それでも戦力に変化はなかったのだ。兄の応援などなくても、自分一人で戦えることを証明してしまったのだ。
弟の勝利は喜ばしいことなのに、複雑な気持ちがこびりついて離れない。
「……ねえ、ジークは弟や妹がいっぱいいたんだよね?」
「ああ、いたな。それがどうかしたか?」
「じゃあ、下の子たちが優秀すぎて『俺なんて必要ねぇな』って思ったことない? そう思った時はどうしてる?」
「なんだ、いつものメンヘラか? 生憎、俺は相手する気はないから他を当たりな」
「そんな冷たいこと言わないでよ……。話を聞いてくれるだけでいいからさ」
「お前さんの場合はそれだけじゃ終わらないだろ」
「ホントにそれだけにするよ。アクセルにまた『浮気だ!』って言われたくないもん」
そう言い切ったら、ジークはやれやれと頭を掻いた。そしていつもの口調でこんなことを言う。
「どうもしねぇよ。弟や妹が俺より優秀なのは喜ばしいことだろ。それだけ自立してるってことだし、べったり寄りかかられるより楽じゃねぇか。手もかからないしさ」
「それはそうなんだけどね……」
「ま、お前さんはその『手がかからなくなる』のが嫌なんだろうけどな。兄として弟を世話できなくなったら、自分は何のために存在しているのかわからん……ってことなんだろ?」
「よくわかってるじゃない」
「ホント、めんどくさいヤツ。お前さんも弟くんもいい歳なんだから、いい加減兄弟離れしろよ」
「うーん……やっぱりその方がいいのかなぁ。今まで何度か試みようとしたけど、結局上手くいかなかったんだよね」
と、苦笑をこぼす。
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