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第1453話(フレイン視点)
フレインは微笑みながら、言った。
「やっぱり、ジークはいい友人だねぇ。話しているとスッキリするよ。絡んだ糸がスーッと解けていく感じ」
「なんだそれ。もういい歳の大人なんだから、毎回同じようなことでぐだぐだ悩むのやめろよな」
「いい大人でも、元は一人の人間だよ。悩むこともあるし、立ち止まることもある。それがなくなったら、人間離れしすぎちゃってつまらないだろう?」
「開き直ってんじゃねぇよ。都合のいいことを言ったところで、お前さんは所詮メンヘラだ。俺はこれ以上相手するつもりはないから、後は弟くんにぶち撒けな」
そう言われてしまったけれど、何だかんだでジークは面倒見がいいことを知っている。
フレインは気にすることなく、早速話題を変えた。
「それにしてもお腹空いたねぇ。誰かご馳走してくれないかな。ユーベルあたり、どうだろう?」
「何をナチュラルにタカろうとしてるんだよ。お前さん、自炊できるだろ」
「できるけど、一人分を自炊するのって面倒なんだよねー。かと言ってジークを誘ったら弟に『浮気だ!』って怒られちゃうし。それなら、みんなで一緒にご飯でもどうかなーって思ったんだけど」
「……はあ、まあいいけどな。あの貴族サマが奢ってくれるなら、食事するのもやぶさかじゃないか」
ジークを伴って、ユーベルの屋敷を訪ねてみた。
ユーベルはちょうど優雅なティータイムを過ごしているところだったが、向かい側にいるミューが手当たり次第にお菓子を食い散らかしていくので、やや迷惑そうな顔をしていた。
「やあユーベル。ミューと一緒だったのかい?」
「ああ、フレインにジークですか。ちょうどよかった、ミューの相手をしてやってください。先程からわたくしのクッキーにまで手を出そうとして迷惑なんです」
「えー? でもユーベル、『好きなものを食べてください』って言ったじゃーん」
マフィンを齧りながら、ミューが口を尖らせる。
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