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第1476話

「ミュー。きみは一体いつもどうやって鍛錬しているんだ?」 「? どうって?」 「ランキング一位に上り詰めて、その後ずっとランクをキープし続けているってことは、余程すごい鍛錬をしているってことだろ? その強さの秘訣は何なんだ?」 「んー……」  単純な興味から聞いてみたら、ミューは首をかしげてこんなことを言い出した。 「特にないかなー。普通にトレーニングしてたら一位になってただけー」 「ええ……? そんなことないだろ。何かこう……すごく大変な鍛錬してきたんじゃないか?」 「いや? 僕、大変な鍛錬なんてやった覚えないよー」  その答えに、アクセルは少なからず衝撃を受けた。  ミューはいつもと変わらない間延びした口調で、続けた。 「僕はこの通り、みんなより小さいからさー。その分、的も小さくて攻撃を回避するには有利だったのかもよー? それ以外は、フツーに目の前の相手を斬ってただけだしー。そしたら知らない間に一位になってて、ランゴバルトにめっちゃ恨まれたー」 「そ、そうなのか……」 「うん。これならポイント調整して二位でいた方がよかったかもー」  とんでもない発言が飛び出してきて、アクセルは二度驚いた。  ――努力してないはずないけど……知らない間に一位になってたとか、そんなことあるのか? ホントに化け物レベルですごいな……。  こっちなんか毎日欠かさず鍛錬しまくって、ようやくランクが少し上がる……というレベルなのに。あまりに差がありすぎて、羨むよりも先に呆れてしまう。 「アクセル、これから鍛錬するんだよねー? じゃあこれ食べて頑張ってー」  ミューはポケットから飴玉を複数取り出し、こちらの手にバラバラと乗せてきた。  はて、ミューがいつも食べているお菓子だろうか。常に飴玉を持ち歩いているとか、ミューらしいというか何というか……。 「あ、そうだ。今度またアクセルの手料理食べさせてねー。アクセルが作ったイノシシのシチュー、好きなんだー」

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