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第1493話
「さ、お前も手伝って」
兄は当たり前のように空いている場所にしゃがみ、腕や脚などのパーツを手に取って吟味している。
さすがに動揺し、アクセルは兄に尋ねた。
「え、と……兄上、これは一体……?」
「棺に入れるに当たって、どれが誰のパーツか仕分けしているんだよ」
「仕分けって……」
「違う人のパーツを入れると、上手く蘇生できなくてキメラみたいな状態になっちゃうからね。それはマズいから、パーツの仕分けをしてるんだ。ほら、お前もここに座って」
「は、はい……」
仕方なく兄の隣に座り、同じようにパーツの仕分けをする。
残っている服の一部や肌の色などで区別できるものもあったが、中にはどうあっても誰のものかわからないパーツもあった。露出している内臓なんて、見ただけでは誰のものだったかなんてわかるわけがない。
「……なあ、これ一部だけ入れて蘇生するのを待つんじゃダメなのか? どうあってもわからないものもあるだろ……」
さすがにげっそりして意見を述べたら、兄は手を止めずに答えた。
「一応可能だけど、それだと蘇生にものすごく時間かかるでしょ。他にも死合いとか鍛錬とかで利用する人がいるのに、半数以上もの棺がずーっと使われっぱなしってのはマズいんだよ」
「それは……まあ、そうかもしれないけどな……」
「はぁ……それよりコレ、始末書モノかもなぁ……。だから何度も問い合わせしたのに……ああ、めんどくさい……」
投げやりに足を別の場所に放り投げているので、アクセルは重ねて尋ねた。
「……結局、何があったんだ?」
「スレイプニルの山に調査に行ったんだよ。まだ来たばっかりの新人を何人も連れてね」
「あ、ああ……それは知ってるが……」
「でもあの山は、新人を何人も連れて入れるような場所じゃない。踏み込むだけの『調査』でも、命の保障ができないんだ。だから私は、何度もヴァルキリーに確認した。『新人を連れて行くには危険です』って意見もした」
「…………」
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