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第1497話
二人で家に戻り、兄は早速脱衣所で汚れた衣装を脱ぎ捨てた。
「あー……なんかお腹空いたなぁ。昨日の夜から何も食べてないんだよね。お前、何か作ってくれない?」
「あ、ああ……昨日の鹿肉のシチューでよければすぐ食べられるぞ」
「じゃあそれで。大盛りでパンもいっぱいつけてね」
そう注文をつけ、兄は風呂場に入っていった。
アクセルは言われた通り鹿肉のシチューを温め直し、深めの皿にたっぷり盛ってバゲットもたくさんスライスした。
そうやって食事の準備をしていたら、自分の腹も「ぐぅ……」と鳴り始めた。
――そう言えば、俺も昨日からほぼ何も食べてないんだよな……。兄上が帰って来ないことに気を取られて忘れていた……。
自分が食べていないなら、ピピも食事してないじゃないか……と思い至り、慌てて追加の野菜スープを作る。
でもこれだけだと足りないかもしれないから……と、簡単なステーキやサラダ、目玉焼きを作っていたら、何だかんだでかなり豪華な食事になってしまった。空腹の時に料理すると、ついたくさん作り過ぎてしまう。
「わあ、なんかいっぱい食事できてる」
テーブルに食事を並べていたら、兄が風呂から出てきた。血の汚れはすっかりとれ、代わりにほのかなシャンプーの匂いがした。
「ふふふ、いくらでも食べられそう。いただきまーす」
早速席に着き、食事にありつく兄。
アクセルもピピに食事を出してから、朝食をとった。
しばらく兄は夢中で食事を平らげていたが、シチューとステーキをあらかた胃に入れたところでようやく口を開いた。
「あーあ……それにしても報告書どうしよう。あんなの書きようがないんだけど」
「ああ、ヴァルキリーに提出しなきゃいけないのか……。報告書より要望書の方を出すべきだと思うが……」
「要望書どころか訴訟状レベルだよ。いくら私たちに嫌がらせしたいからって、さすがに今回のことは度が過ぎている。そろそろ本格的に訴えを起こすことも考えないと」
「……嫌がらせ? どういうことだ?」
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