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第1505話

「それに、ちょっとしか見たことないけどコニーの弓の腕前は相当なものだった。常に動き回っていても狙撃されてしまうと思う。だから、そうならないように準備しておかないといけないんだよ」 「ふーん? お前のそういう真面目なところは感心するなぁ」  と、兄が軽く額の汗を拭う。 「まあそれなら、勝てるように頑張りなさい。何かアドバイスして欲しいことがあったら、いつでも言ってね」 「ああ、わかった」  その後は久々に二人でランニングをした。兄と一緒に早朝の陽を浴びるのは気持ちよく、このままずっと走っていたいくらいだった。  朝のトレーニングを終わらせ、朝食をとりながら、早速次の死合いの対策を考える。  ――そういや以前、団体戦で弓を使った死合いがあったな。あんな風に戦えれば、コニーとも対等に戦えるんじゃないか……?  ユーベルに率いられて、ランゴバルトのチームと団体戦を行った時。あの時は全員飛び道具必須だったので、大将のユーベルとランゴバルトも弓矢を使っていた。  そのためスタジアムは、文字通り矢の雨が降り注いでいる状態。避けられなかった者から死んでいくという、まさに地獄絵図だった。  ただ、その状態から死合い終了まで何とか生き延びることができたのも事実。まぐれかもしれないけどちゃんと狂戦士モードも使えたし、ギリギリのところで矢を避けたり、迫って来る矢を叩き落としたりもした。  それができたのだから、次のコニーとの死合いでもできるのではないだろうか。  狂戦士モードになれば身体能力が格段に上がるし、動体視力も上がる。コニーが矢を乱れ討ちしてきても回避できる気がする。  ――念のため、回避率上昇には何が効果的か兄上に聞いてみよう。  アクセルは本格的なトレーニングウェアに着替えつつ、兄にその旨を尋ねた。  すると兄はこう答えた。 「んー、回避は反射神経と身体能力が高ければ自然とできると思うよ。まあ、相手の攻撃が速かったら躱すのも難しくなるけど。そこは狂戦士モードでカバーかな」

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