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第1506話

「……なんか普通だな。特別なことはいらないってことか?」 「まあそうだね。強いていうなら狂戦士モードの延長くらい? 気になるなら例の洞窟を踏破してきたら?」  例の洞窟とは、ラグナロク前に兄に教えてもらった洞窟のことだ。光も届かない暗闇の中を、自分の感覚と音を頼りにひたすら歩いていかなければならない場所のことだ。  ――う、うーん……。オススメされたのはいいが、あそこあまり得意じゃないんだよな……。  歩き始めはいいのだが、疲労が溜まっていくにつれてだんだん幻聴が聞こえてくるのだ。それが自分にとっていい幻聴ならまだしも、気にしていることを言われたり、弱点を突くような内容だったりするので、地味に精神を抉られる。  アクセルも始めて挑戦した時に兄の幻聴に悩まされたから、正直二度と行きたくなかった。幻聴であっても、兄の声で「お前は本当の弟じゃないかも」なんて言われたくないから……。  ――と、とりあえず洞窟踏破は最終手段にとっておこう。  今日のところはいつも通りのトレーニングをすることにして、アクセルは庭でストレッチや素振り、筋トレを行った。  翌日も同じようなメニューをこなそうとしたのだが、お昼頃になってどうしてもコニーの様子が気になってきてしまい、偵察がてら鍛錬場に行ってみた。  弓矢の鍛錬をしているかなと思ったが、鍛錬場にコニーの姿はなかった。 「コニー? ここしばらく見てないぞ。自宅で弓の練習してるんじゃないか?」  鍛錬場の男がそう教えてくれる。 「あいつ、ランゴバルト様に特別扱いされてるだろ? だからここにいなければ、ランゴバルト様の自宅の鍛錬場を使わせてもらってるんだよ。まああっちの方が広いし、飛び道具の練習には向いてるんじゃねぇかな」  なるほど、そういうことか。自宅で鍛錬できるなら、そちらの方がいいに決まっている。  教わった通り、今度はランゴバルトの屋敷に向かった。ランゴバルトは庭に大きな闘技場を持っているので、遠くからでも場所がわかりやすい。

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