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第1510話

「じゃ、じゃあ……一緒に洞窟踏破してくれないか?」 「え、一緒に?」 「う、うん……。あれだけの一斉射撃は、狂戦士モードを持続させないと勝てないから……。そのためにあの洞窟を踏破したいんだ……。でも、その……一人だと、無事に出てこられるか心配だし……ほら、死合いに間に合わなかったら困るからさ……」 「…………」 「だから、兄上も一緒に来てくれたら心強いなと……」 「…………」 「……ええと……」  無言でこちらを眺めてくる兄。  うんともすんとも言わないのを見たら、だんだん罪悪感が芽生えてきた。  いくら兄相手でも、洞窟を一緒に踏破して欲しいなんて何を言っているのだろう。あそこは一人で行かなければ意味がないし、そもそも道幅からして大人一人しか歩けない。焦るあまり、とんでもなく意味不明なことを言ってしまった。 「や、やっぱりダメだよな! 変なこと言ってすまない、忘れてくれ」  死合いの不安は、より多くの鍛錬をして払拭するしかない。とりあえず何も考えずに素振りでもしよう。  そう思ってそそくさとその場を離れようとしたら、兄に「待ちなさい」と腕を掴まれた。 「まったくお前は……少し落ち着きなさいよ。死合いまでまだ時間あるんだから、そんなに焦ることないじゃない」 「だって……コニーの早撃ち、本当にすごくて……」 「それ、ユーベルの射撃よりすごかった?」 「……えっ?」  唐突にユーベルの名が出てきて、アクセルは一瞬ポカンとした。が、すぐにあの団体戦のことを言っているのだと察しがついた。 「お前は以前、凄まじい矢の嵐をかいくぐって生き延びたことがあるでしょ。ほとんどの戦士は死んでたけど、お前はちゃんと狂戦士モードをキープしたまま生き残った。その実績があるんだから、そこまで不安に思う必要ないじゃない」 「そうだけど、あの時はひたすら逃げ回るだけでよかったから……。決定打を与える必要がなかったから、回避に専念できたってだけで……」

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