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第1511話

「そこまで自分を過小評価することないんじゃないの? お前、ちゃんと回避しつつ反撃しようとしていたよ? それに、あの時はユーベルとランゴバルトという達人二人が一斉射撃していたから回避せざるを得なかったけど、次はコニーくん一人でしょ? そこまでビビるほどたいした相手じゃないと思うけどな」 「それは……」 「まあそうやって謎にビビるからこそ、慢心せずに強くなれるんだろうけどね。ただ、今回に関しては心配しすぎ。お前はいつも通り鍛錬して、いつも通り死合いに臨めばいいの。特別なことは必要ない。お兄ちゃんが保証するよ」 「そう、かな……」  兄に説得されていくうちに、だんだん何に悩んでいたのかわからなくなってきた。  どんなにコニーの弓がすごくてもユーベルとランゴバルトを凌ぐほどではないし、全く避けられないほど自分の回避能力が低いわけでもない。攻撃をかいくぐって反撃することも不可能ではないし、懐に飛び込んでしまえばこっちのものだ。  ――ちょっと心配しすぎたかな……。  余計な心配をして、自分で勝手にドツボに嵌まってしまうのはアクセルの悪い癖だ。それで兄に不安を打ち明けて励ましてもらうのも、よくよく考えたらいい歳の大人がやることではない。  反省しつつ、アクセルは兄に言った。 「……ごめん、またネガティブなことを言ってしまった。これからまた鍛錬するから、兄上も応援しててくれよな」 「うん、もちろん。勝てるように応援してるね」  よしよし、と頭を撫でた後、兄はふと思いついたように顎に手を当てた。 「ああでも、お前がどうしてもって言うなら一緒に洞窟踏破してもいいよ? 並んで歩くことはできないけど、縦一列になって踏破したらどんなことが起きるのか、純粋に興味がある」 「そ、そうか……? というか、兄上はあの洞窟を歩いている時、幻聴が聞こえたりはしないのか?」 「最初の頃は聞こえたけど、だんだん聞こえなくなってきたなぁ。メンタルが強くなるにつれて、幻聴に惑わされなくなるんだよね」

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