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第1563話
「私、今日は警備当番で夕方まで帰って来ないからね。お前はちゃんと留守番してるんだよ? さっきも言ったけど、誰かが訪ねてきても居留守を使うこと。わかった?」
「ああ、わかったわかった」
訪ねてくるような人なんていないだろ……と思いつつ、アクセルは生返事をした。
スポンジに洗剤をつけて寸胴鍋を擦っていると、
「ねえ、真剣に聞いてる? 私、かなり本気で心配してるんだよ?」
と、兄に苦言を呈された。
「そりゃあ変な栄養ドリンク飲ませたのは私だけど、お前の危機意識が足りないのは事実なんだ。『ちょっとくらいなら大丈夫だろう』って外に出ちゃうのを心配してるんだよ」
「だから出ないって……。今日は本当に一日中家にいるよ」
「……まあ、お前は私との約束は余程のことがない限り破らないけどね。でも心配なことは変わりない。だから念のためにこれ着けさせて」
「? 何を着けるん……えっ!?」
いきなり下着ごとズボンを下ろされ、股間を剥き出しにされてしまう。
間髪入れずに兄が腰回りに何かを装着させてきて、大事なところですらも檻のようなものに囲われてしまう。
そして腰の裏側でカチッと鍵をかけられ、金属製のオムツを固定されてしまう。外そうとしてもびくともしない。
「ちょ、兄上!? 何だよこれ!?」
「男性用の貞操帯だよ。これをしておけば、万が一襲われても大事なところを触られる心配はない。鍵は私が持ってるからね、誰にも外せないよ」
「そんな……。ここまでしなくても……」
「お前の力がいつも通りだったら、ここまでしなかったよ。でも事実、お前は基本的な筋力が落ちてるでしょ。それじゃいざ何かあった時に抵抗できない」
「だから何もないって……」
今日は一日家にいるんだし、と反論したが、兄は聞く耳を持たなかった。
「帰ってきたら外してあげるから、それまで我慢していなさい。私もなるべく早く帰ってくるから」
「…………」
「お返事は?」
「……はい、兄上」
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