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第1565話
――って、やば……。なんかまた身体が……。
股間の辺りがキュンと疼いてしまい、ぶんぶんと首を振る。
湧いてきたいかがわしい想いに蓋をして、何とか考えないように努めた。
今反応してしまったら大変なことになる。自分では貞操帯を外せないし、こっそり自慰をすることもできない。
兄が帰ってくるまでは変なことを考えず、いい子で留守番していなきゃ……。
考えを掻き消すように、ゴシゴシと浴槽を擦って洗う。
浴室を綺麗に掃除し終え、洗濯物を畳み、家の中だけで完結する家事を全て終わらせてやった。
次にアクセルは、台所の食料庫をチェックした。
昨日兄が市場でしこたま食料を買っていたから、食材は十二分にある。
――兄上、今日は狩りじゃないんだよな……? そしたら足の早そうな食材から消費してしまおうか。
卵やミルク、生肉等は早めに食べないとすぐに悪くなってしまう。
余っている肉はシチューに使うことにして、メインはオムライスか何かにしよう。
夕食の献立を決めて、リビングの広いところでストレッチや筋トレを始める。
本当は洗濯物を出しに行きたかったが、外出を禁止されている手前、魔法のドラムまで行くわけにはいかない。洗濯物は明日まとめてやることにしよう。
準備体操がてら、全身の筋肉をほぐして温める。
全体的な筋肉量は落ちていたが、身体の柔らかさは通常時よりも上がっているみたいだった。股関節も柔らかく、脚もいつもより大きく開ける。
――俺、昔はこんなに身体柔らかかったのか……。今の方が身体硬いって、それはそれで複雑だな……。
とはいえ、考えてみれば当たり前のことかもしれない。
発展途上で身体自体が若いというのもあるだろうが、余計な筋肉がついていない分、それに邪魔されず手足を自由に動かせる。特に背筋なんかは顕著で、つき過ぎると肩甲骨を寄せるストレッチをしにくくなるのだ。
かといって筋肉をつけないわけにもいかないから、どのくらいがベストなのか結構悩ましい。
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