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第1566話

 帰ったら兄上に聞いてみようかな……などと考えながら、軽くその場でぴょんぴょん跳躍する。  だが、何度か飛び跳ねたところで、 「うっ……」  ミシッ……と貞操帯が尻の狭間に食い込んできた。敏感なところを締め付けられている感覚がたまらず、近くのテーブルに手をついて何とか気分を落ち着かせる。  ――ジャンプもダメなのか……? これがダメなら庭で走るのもNGじゃないか……。  ギリギリ庭だったら外出にはあたらないと思っていたのに。これではピピと戯れることもできない。  まったく兄上め、余計なものを着けさせやがって。外出しないって言ってるのに、ここまでしなくてもいいじゃないか。可愛い弟を信じられないのか? 「……はぁ」  ちょっとテンションが下がり、ベランダの窓越しに庭を眺めた。  視線に気づいたのか、ピピが小屋から出てきてトコトコこちらに近づいてきた。  ガラス越しにこちらを見て、「出てこないの?」と首を傾げている。  窓くらいはいいだろうと思い、アクセルはガラッとベランダの窓を開けた。そしてピピを撫でながら愚痴をこぼした。 「ごめんな。兄上のせいで、今日は外に出られないんだ。本当は庭で思いっきり鍛錬したかったんだけどさ……」 「ぴ……」 「というか、兄上も結構自分勝手だよなぁ……。栄養ドリンク買ってきたのは自分なのに、俺ばっかりこんな目に遭わせて……。こんなんじゃ洗濯物も出しに行けないじゃないか。心配なのはわかるけど、ちょっと外出したくらいですぐさまトラブルがやってくるわけないだろ。なあ?」 「ぴー……」 「仮に変なヤツが寄ってきたとしても、その時は走って逃げればよくないか? 脚の速さは変わってないんだし、普通に家まで逃げ帰ればいいと思うんだが。何ならピピと一緒に出掛ければ全然問題ないじゃん。なあ?」 「ぴ……」 「なんかムカつくから、ちょっとそこら辺散歩に行っちゃう? ちょっとだけなら行ってもバレないだろうし、兄上が帰ってくる前に家に戻れば問題ないよな」 「ぴー!」  それはダメでしょ、とピピが首を横に振る。

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