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第1581話
「なるほど、確かに……。でもそれなら、どこかの広場で手合わせする方がいいんじゃないか? その方がお互いのことよくわかるし、手っ取り早いよな?」
「だからオレは、具体的な武器は死合い中でないと見せられないんだってば。アクセル、知らない? 暗器って」
「……暗器?」
「隠し武器のこと。一見何も持ってないように見えるけど、これでもいろんな場所に武器隠してるんだぜ?」
「えっ? そうなのか?」
驚いてアクセルは、チェイニーの全身を眺めた。
チェイニーは小脇に郵便物を抱え、それ以外は何も持っていないように見える。大きな剣を背負っているわけでもなく、腰に小刀を差しているわけでもなし、本当に丸腰にしか見えなかった。
どこに武器が隠されているかなんて、パッと見ても全然わからない。
「……すごいな、俺には真似できそうにないよ。隠そうとしてもすぐにバレちゃいそうだ」
「アクセルの武器は二振りの小太刀じゃん。隠す必要もないし、そのままでいいっしょ」
「まあな。でも、チェイニーは俺のことよく知ってるのに、俺はチェイニーの武器すら知らないって、次の死合い大丈夫か……? ボロ負けしそうなんだが……」
チェイニーがこちらの死合いを全て見てきているのなら、こちらの手の内は全てバレていると思ってよい。
どういう攻撃が得意とか、どのタイミングで狂戦士になるかとか、何が苦手だとか、そういった戦い方の癖を全部知られてしまっているのだ。
それなのにこちらは、チェイニーがどんな武器を扱うかすら知らない。今もパッと見ているだけでは、どこに何が隠されているか見破れない状態だ。
ランクはアクセルの方がずっと高いけれど、これは圧倒的に不利だと思っていいのではないだろうか。まるで勝てる気がしない。
「そう言われてもねぇ? いくらアクセルの頼みでも、さすがにここで手の内をバラすわけにはいかないからさ」
と、チェイニーがひらひらと手を振る。
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