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第1593話
とりあえずそう言ってくれたので、ひとまずホッとした。
アクセルはもう一度鍛冶屋に赴き、先程のエルフに事情を説明した。
「……というわけなんですが、魔法抵抗力を上げる強化ってできますか?」
「ああ、できるぞ。必要な素材は特殊だけどな」
「よければその素材を教えてください。可能なら集めに行きます」
「そこのリストに書いてあるだろ」
鍛冶場の受付テーブルにはメニュー表のような冊子が置いてあり、そこのタイトルに「錬成リスト」と書かれていた。
試しに一ページ目からペラペラめくってみたら、そこには「切れ味強化」や「耐久強化」などの項目があり、それぞれに必要な素材が表記されていた。
非常にわかりやすくまとめられていて見やすかったのだが、問題の素材に目を通していたらだんだん顔が引き攣ってきた。
――何だコレ……? 聞いたことのない素材ばかりなんだが……。
例えば、先程の「切れ味強化」は玉鋼数個でいいみたいだが、「属性付与:炎+1」みたいな強化は「炎竜の角」、「赤光パウダー」、「森のルビー」など、何のことだかさっぱりわからない素材が並んでいる。
これらの素材がどういうもので、どこでどうやって手に入れられるのかを調べるだけでも結構な手間がかかりそうだ。この「炎竜の角」なんか、本気で取りに行こうとしたら命懸けの旅になりそうである。
――「属性付与」がこんなに大変ってことは、「魔法抵抗力」なんてもっととんでもない素材が並んでるんじゃ……。
慌ててリストをめくり、「魔法抵抗力」を探し出す。
魔法抵抗力という名前ではなく「属性抵抗付与」みたいな項目だったが、多分これで間違いないだろう。
「ええと、玉鋼が数個と『女神の涙』……涙?」
なんだ、「女神の涙」って? 聞いたことも見たこともないのだが。
「あの、『女神の涙』ってどういう素材なんですか?」
「鉱石の一種だよ。青く輝いている石で、かなり深層部まで潜らないと採掘できないヤツだ」
「そ、そうなんですか……」
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