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第1607話(フレイン視点)

「はいはい、わかったよ。んじゃ、採掘場までは一緒に行こうぜ。その後は自由行動だ。困った時はお互い手助けするって感じで」 「うんうん、それでいこう。あまりべったり行動すると、また弟に『浮気してる!』って怒られちゃうからね」  するとジークは、より一層呆れて肩を落とした。 「……はあ。弟くんも意外と神経質だねぇ? こんだけ愛されてんのに、まーだそんなこと言ってんのか」 「うーん……そこに関しては私も不思議なんだよね。いつもめいっぱい可愛がってるつもりなのに、未だに誤解されちゃうの。この間なんか、ただカレーを作り過ぎただけなのに、家に誰かを呼んで浮気してたのかって疑われちゃった」 「……そこまで来ると重症だな。まあ、お前さんの過去の行いのツケでもあるんだろうが」 「そこはもうチャラにしてよ~。……とにかく、いちいち喧嘩するのも嫌だから、最近はなるべく気を遣ってるんだ。友人とも、できるだけ一対一では会わないようにしてるよ」 「そうかい。ならユーベルも誘ってみるか? あいつも最近、ご自慢の武器の切れ味が鈍くなったって嘆いてたからな」 「ああ、いいね。三人で行けばさすがに浮気とは思われないし」  そう思い立ち、フレインはジークとユーベルの城を訪れた。  ユーベルはちょうど専属歌劇団の稽古をつけており、一糸乱れぬ動きを伝授しているところだった。 「ああ、そういうことですか。口実はやや気に入りませんが、鉱石を採掘するのは悪くありませんね」  結局ユーベルを含めた三人で採掘場に行くことになり、その後はお互い自由に目的のブツを発掘することになった。  どうせ来たからにはなるべく効果のある鉱石を……と思い、かなり深いところまで潜ったのだが、途中で何度もガーディアンの妨害にあい、あまり採掘が進まなかった。  ――もう……明日までには帰らないといけないのに。  何体目かのガーティアンを切り捨てつつ、やれやれと溜息をつく。

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