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第1610話(フレイン視点)

「……それ、弟くんのお守りにしようとしてたんですか? あなたの頭、相変わらずネジが緩んでいますね……」  ユーベルがますます呆れたように首を振った。  軽く聞き流し、フレインは玉鋼の仕分けを手伝ってあげた。大きさと重さで何段階かに分け、それぞれを持参した袋に詰めて持ち帰った。余った分はお裾分けしてもらった。  ヴァルハラに戻り、早速鍛冶屋に赴く。そこで働いていた本日のエルフに光る結晶を渡し、鑑定を依頼した。鑑定料と称して玉鋼を要求されたので、二、三個提供してあげた。  ……以前はタダで鑑定してもらえたのに、おかしいな? ぼったくり? 「ってこれ、レイ石の大結晶じゃないですか! とんでもないもの拾ってきましたね?」 「そうなの? レイ石って何だい?」 「レイ石っていうのは魔石の一種で、原石の中では最も強力な石なんですよ。自然の状態では採掘できなくて、ヒ石、ライ石、テン石、ヘン石をこのように並べて合成することで……」  と、うんたらかんたら説明されたが、細かいところはよくわからなかった。 「それで……結局それはいいものなの? 悪いものなの?」 「素材としてはピカイチにいいものです。ただ非常に貴重で力も強いので、下手に扱うと害が出るかもしれませんね。爆発したりとか」 「爆発するの? それはさすがに困るんだけど……」 「レイ石は爆発物の素材になることが多いんですよ。一方で、身につけるだけで凄まじいパワーを与えてくれたりもして。これドロップしたガーディアン、普通のガーディアンより強くありませんでしたか? つまりそういうことです」 「ああ、そうなんだ……」  言われてみれば、やけに倒しづらいなと思った覚えがある。  結果的に倒せたからあまり気にしていなかったけれど、この結晶が「動力源」というのはあながち間違っていなかったようだ。 「まあどのみち、この大きさのレイ石を戦士(エインヘリヤル)が身につけるのは無理がありますね。どうしても使いたいなら、半分くらいの大きさに加工し直さないと」 「あ、それなら……」  フレインはとある形に加工するよう、エルフに依頼した。

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