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第1615話

「ところで、時間は大丈夫?」 「え? ……あっ……」  幸せな気分に浸っていたら、時間の経過を忘れてしまっていた。  家に帰ってきてどれくらいの時間が経ったのだろう。チェイニーはもう復活しただろうか……。 「どうしよう……。そろそろ行ってきた方がいいかな……」 「行ってくれば? 私は家で留守番してるから」 「うん……。でも、今更だけどちょっと気まずいな。どんな顔してチェイニーに会えばいいかわからない……」 「? なんで? 今まで仲良くしてたじゃない」 「いや、その……死合い中にチェイニーの本心を知ってしまったというか……」  そう言ったら、兄は全てを察したように「ああ……」と頷いた。 「それも別に気にしなくていいんじゃない? チェイニーくんがどう思おうと、お前の気持ちは変わらないんだろう? お前が一番好きなのは、この私なんだよね?」 「う、うん……。それは間違いない……が、何というか……今までいろんな情報を提供してくれたり、力になってくれたこともたくさんあったから、気持ちに応えられないのは申し訳ないな……と」 「……はあ。お前のお人好しも、そこまでくると厄介だね」  やれやれと首を振った後、兄がこんなことを言い出した。 「そんなに不安なら、お兄ちゃんがついて行ってあげようか? もし変なこと言われたら、その場でチェイニーくんを斬ってあげるよ」 「えっ!? い、いや、そこまでしなくていい! 俺がちゃんと話をつけてくるから、兄上は家で待っててくれ」 「……そうかい? なら、私は大人しく家でゴロゴロしてるよ。間違っても、途中で絆されるんじゃないよ?」 「う、うん……わかったよ」  アクセルは家を出て、再びオーディンの館に向かった。  チェイニーはちょうど棺から出てきたところらしく、手で自分の赤毛を梳かしつつ身体の具合を確かめていた。 「チェイニー……」 「あれ、アクセルじゃん。これから棺当番?」 「いや、そうじゃないんだ。ただ、ちょっと……その……」

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