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第1616話

 話をしに来たのはいいものの、一体何を言えばいいのだろう。  今まで気持ちに気付かなくてごめんって? きみの気持ちには応えられないけど、これからも仲良くして欲しいって?  それは……チェイニーにとって、あまりに残酷な台詞なのではないだろうか。  相手が応えてくれないとわかっているのに、相手も自分の気持ちをわかっているはずなのに、これからも友人として接することを求められる。友達以上の関係に踏み込んではならず、アクセルがフレインと仲良くしているところを黙って見ていなくてはならない。  いくらなんでも、それはチェイニーに申し訳なさすぎる。自分だったら発狂してブチ切れてしまいそうだ。  でも……でも……だからって他にやりようがないし……このまま黙っていたら、一体何のためにここまで来たかわからない。  何か……何か言わなきゃ……。 「うう……」  考えすぎて言葉が喉元で詰まり、焦りのあまり冷や汗まで出てきたのだが、 「……もういいって。オレはとっくに諦めがついてるからさ」 「え……?」  チェイニーが苦笑しながら口を開いた。  彼はひらひらと手を振って、続けた。 「最初からわかってたんだよ。アクセルとフレイン様の間に入ることはできないって。挑戦状を叩きつけたこともあるけど、どう頑張ってもフレイン様には敵わないって」 「挑戦状って……?」 「だいぶ昔だけど、ばったりフレイン様に遭遇したことがあってさ。当時はアクセルに対する扱いがひどすぎて、見てられなかったんだ。ほら、再会していきなり腕を斬られたって言ってたじゃん?」 「あ、ああ……そんなこともあったかな……」 「で、『あなたがそういう扱いするなら、オレがアクセルをもらっちゃってもいいですよね?』って挑発したんだ。フレイン様は表情こそ変わってなかったけど、内心穏やかじゃなかったと思うよ。そこからだもん、徐々に態度が軟化してきたの」 「え……そ、そうなのか……?」

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