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第1657話(フレイン~アクセル視点)

「じゃあ、私はそろそろ帰るね。あまり夜更かしすると身体に悪いし」 「へえ、珍しいねー。フレイン、夜更かしするのが当たり前なのに。今日はアクセルいないから我慢してるのー?」 「ははは、まあね。下手に夜更かしすると、また弟に怒られちゃうからさ。……それじゃ、また」  フレインは早足で自宅に戻り、着替えてベッドに入った。  できれば弟が夢に出てきてくれるといいな……と思ったが、残念ながら何の夢も見られなかった。まあいつものことだ。 *** 「……!」  明るい光を瞼の裏に感じ、アクセルは目を覚ました。  棺の蓋は開けられており、蘇生が完了したことを示していた。 「…………」  ゆっくりと身体を起こす。復活した直後はいつもこんな感じで、ボーッとしがちだ。  普段起床する時はここまでボーッとしないのだが、やはり復活時は頭が冴えない。  まあ、ほとんどの戦士はみんなこんなもんだろうと思うが……。 「起床ッ!」 「うわっ……!」  近くから元気な声が聞こえ、続いてガターンと棺の蓋がズレる音がした。  びっくりしてそちらを見たら、アロイスが棺から起き上がって伸びをしていた。 「ア、アロイス……? 復活直後から元気満々だな」 「おっ、アクセルも今起きたところか! おはよう! 今日もいい天気だな!」 「あ、ああ……そうだな……」  ……どんな事象にも、一部例外はあるものらしい。  ――元気だなぁ……。さすが体力バカというか……。  内心呆れつつ、アクセルも立ち上がって棺を跨いだ。そして軽くストレッチをした。  どのくらい寝ていたか知らないが、ずっと仰向き状態だったので筋肉が凝り固まっているようだ。 「それにしてもいい死合いだったなー! まさに命を燃やし尽くした戦いだったぜ!」 「俺も全力を出せたよ、ありがとう。……ところでアロイスは、どっちが勝ったか聞こえてたか?」 「いや、全然。オレ、ヴァルキリーのアナウンスがある前に死んだっぽくてさ。結果は聞いてないんだわ」 「そうか……実は俺も聞いてないんだ。ちょっと確認しに行ってくるか」

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