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第1666話
「本来はそうなんだけど、ランクの低い戦士 が受付で文句を言っても、全部揉み消されちゃうんだよ。だからクレームをつけにいく時は、顔が割れてる上位ランカーが一緒にいた方がいいんだ」
「そ、そうなのか? 上位ランカーがいれば言う事を聞いてくれるのか……」
「ヴァルキリーって、基本的に私たちを見下して舐め切ってるからね。受付やってるような序列の低いヴァルキリーなんか、特に。有名じゃない戦士 が文句を言いに来たところで、痛くも痒くもないと思ってるの。逆に、ある程度名が通ってる戦士 が行けば、意見が通る確率が高くなるんだよ」
「はあ、なるほど……」
「じゃあもう一回ヴァルキリーのところに行こうか。せっかくお前が頑張ったのに、あれで失格になるなんて私も納得できないもんね」
そのまま世界樹 のゲートに歩いて行こうとするので、アクセルは慌てて止めた。
「いや、それは大丈夫。たまたまシグルーンっていう序列の高いヴァルキリーが来てくれて、一応俺たちの要求は通ったんだ」
「……え、そうなの?」
「ああ。よくわからんけど、運がよかったみたいだ。……だからほら、もう家に帰ろう。ピピもお腹を空かせているだろうし」
微妙な顔をしている兄を引っ張って、アクセルは家に帰った。帰った途端、ピピが小屋からすっ飛んできて、「早くご飯をくれ」とせっついてきた。
自分も腹が減っていたので一緒に何か作ろう……とキッチンに立っていると、兄も食料庫をガサガサ漁り始めた。そしてこんなことを言い出した。
「今思い出したけど、シグルーンって私たちが革命起こした時に戦ったヴァルキリーだ」
「……えっ? そうなのか?」
「うん。随分昔の話だけどね。他にも戦ったヴァルキリーはたくさんいたけど、彼女は特に強かった覚えがあるよ」
「そうか……やっぱりな。彼女、見るからに強そうだったから」
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