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第1681話
翌日。アクセルは朝食を採ってからトーナメント表を確認しに行った。念のため、兄も一緒について来てくれた。
昨日の今日なのでそんなすぐに結果は出ていないかもしれないが、どうなったのかは非常に気になるところだ。
「……んん?」
自分の名前を確認し、目を見開く。
名前の上に赤いペンで×印が描かれており、そこから横にずいーっと赤い矢印が伸びていた。それは隣のトーナメントブロックまで続いている。
そしてシードとなっている箇所に自分の名前が書き加えられ、準決勝まで勝ち上がったことになっていた。
「ええ……? 何だこれ? どういうことだ?」
「あー……これ、別グループに移動させられてるっぽいね」
兄がしたり顔で言う。
「人数の関係でシードが発生するブロックがあるから、その頭数合わせに利用されたんだな。シードは対戦回数が他の人と同じにならないから、不公平だと判断したんでしょう」
「それはそうだが……今更別ブロックに移動ってのも、なんか変な感じがするな」
ちなみにアロイスの方は、そのまま同ブロックでトーナメントを勝ち上がり、準決勝に臨むことになっていた。
移動させられたのはアクセルのみのようだった。
「まあいいじゃない。失格は取り消されたみたいだし、あと二回勝てば優勝だからね。次の死合いも頑張ってよ」
「ああ、頑張るよ。ところで次の相手は誰なんだろう?」
赤線を辿り、自分の相手を捜し出す。
シードになっていた相手はすぐに見つかったが、名前はまるで見覚えがなかった。
「ナダル……って、誰だ? 知らない人だな」
「あれ……その人……」
「兄上、知り合いか?」
「ええと……」
曖昧な顔で兄がトーナメント表を見やる。
少しの間視線を揺らめかせていたが、やがてふっ……と溜息をつき、小さく首を振った。
「……いや、勘違いだった。ナダルなんて人、知らないや」
「? そうなのか……?」
「うん。お前は気にせず、次の死合いでボコボコにしてやってね」
「あ、ああ……わかった」
妙な違和感を抱えつつ、ひとまずアクセルは兄と家に帰った。
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