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第1717話
「それでいいとおもう。フレイン、アクセルいるとあんていする。いないとへんなくらし、するけど、アクセルいれば、ちゃんとせいかつしてくれる」
「それ……よく言われてるけど、俺がいない時の兄上ってそんなにひどいのか? 想像できないな……」
「ひどい。かえってこないことも、おおい。それと、いつもよりこわくなる」
「怖いって……」
「フレイン、すぐひとをきる。でも、アクセルいればきらない。にこにこしてる。フレインがにこにこしてるの、アクセルのおかげ」
「……!」
「アクセル、フレインまもってる」
「そう、か……」
以前、少し言われたことがある。「私が私でいられるのは、お前が碇のように私を繋ぎ止めてくれているからだよ」と。
その時はあまりピンとこなかったけれど、兄・フレインがかなり過激な性格をしているのは事実だ。アクセルがいないところでは、やりたい放題行動しているとよく耳にする。
そんな兄のストッパーになっているのがアクセルであり、そのおかげで兄は理性的で規則正しい生活を送れているのだ。アクセルがいるからこそ、「兄としてしっかりしなきゃ」と思えるのだ。
そういう意味では、アクセルもちゃんと兄の役に立っていると言えるかもしれない。
「そうだな……ありがとう、ピピ。俺たちはきっと、持ちつ持たれつな関係なんだろう。俺が迷惑かけることもたくさんあるけど、その分普段の生活で兄上を支えているもんな」
「ぴー♪」
「兄上が起きたら、またちゃんと話し合ってみるよ。やっぱり兄上とは、仲のいい兄弟でいたいし」
うんうん、と頷いてくるピピ。
おかわりのシチューをピピに出してやりつつ、アクセルはその横でピピの毛並みを整えた。そろそろ庭の露天風呂で、みんなで水浴びしたいところだ。
「……!」
ふとキッチンで物音がしたので、アクセルは様子を見に行ってみた。
思った通り、兄がグラスに水を注いでがぶがぶ飲んでいた。
「兄上……調子はどうだ?」
「あ、うん……ちょっと頭痛い。飲み過ぎたかな」
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