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第1726話※

「戦士なら戦士らしく、堂々と戦って勝つべきだ!」  アクセルは腹に力を込め、覚醒の雄叫びを上げた。 「タアアァァッ!」  殺気が全身から噴き出し、周囲の空気が膨張して地面の小石が弾け飛ぶ。  視界がクリアになり、薬の違和感もなくなり、小太刀を握る手に力が籠もった。  一気にナダルと距離を詰め、覚醒した勢いのまま両手の武器を振り下ろす。 「ンだよ! たかが死合いにマジになりやがってよ!」  逆ギレしつつ、ナダルは斬撃を剣で受け止めて、ついでに左手の錐をこちらに突き出してきた。  身体を捻って躱したのだが、小回りの利く錐を完全に避けきることは難しく、またもや軽く右脇腹を擦られてしまう。痛みは感じなかったものの、一瞬、全身が燃えるようにボッと熱くなった気がした。 「なら、減らず口が叩けなくなるくらいヤク漬けにしてやらぁ! お堅い兄弟は、これくらいのヤクがお似合いだろ!」 「……!?」  ガキン、と剣を弾き上げ、一度ナダルと距離をとった。  先程より一層薬が浸透してきた気がする。あまり長くは保たないだろう。  だが今は、先程のナダルの台詞が妙に頭に引っ掛かっていた。  ――お堅い兄弟……? 俺はともかく、兄上はそこまで堅いイメージはないんだが……?  むしろアクセルがいない時にいつも浮気して、こちらをヤキモキさせてくるのだが。本当にお堅いのなら、そもそも浮気なんてしないと思う。  それとも、世間的には「お堅い」というイメージがついているのだろうか。気安く手を出せない高嶺の花だとでも思われているのだろうか。  まあ確かに兄はランキング三位の強者だから、おいそれと手を出せないのはわかるけど……。 「オラァ!」  今度はナダルが剣を振り上げてきた。単純な太刀筋だったので左の小太刀で攻撃をいなし、右の小太刀でカウンターの斬撃を叩き込む。  錐を持っている左手を狙い、手首からスパッと切り落としてやったのだが、 「っ……!?」  肉を断ち切った感触は伝わってこなかった。  目だけで確認したら、腕の切断面から機械のような電子機器が見えてきた。

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