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第1731話

「あ、にうえ……」 「いいの、今は何も気にしないで。もう少しで泉だから、あとちょっと我慢しててね」 「う、ん……」  アクセルは兄の肩に顔を埋めつつ、疼いている身体を必死に抑えた。  本当は今すぐにでもめちゃくちゃに犯されたいくらいだったが、公共の場でそんな恥ずかしいことできない……と、ギリギリ理性で我慢している状態である。  いっそのこと泉じゃなく、家に帰って思いっきり抱いて欲しい。抱かれれば薬も抜けるだろうし、その方が時間をかけて毒抜きするより早い気がする……。 「ほら、着いたよ」 「! おぶっ……!」  兄に背負われたまま、ドボンと泉にダイブさせられる。危うく水を飲み込むところだった。  冷たい水に触れて一瞬身体が冷えた気がしたものの、すぐに元の熱さが戻ってきてより一層頭がくらくらしてくる。 「……ぶはっ……!」  兄と一緒に浮上し、よろよろと岩場にしがみつく。胸から下は泉に浸かっているが、なかなか薬が抜けなくてもどかしかった。無意識に腰を揺らし、岩場に己を擦り付けてしまう始末である。  やっぱり、家に直帰して兄に抱いてもらった方が楽だったんじゃ……。 「お前、すごい顔してるね。大丈夫……じゃなさそうか」 「うう……」 「ナダルのヤツ、どんだけ強力な催淫剤塗りこめてたんだろう? こんな才能があるなら、もっと別の方向に生かせばいいのにねぇ?」 「ふー……ふー……」 「ま、舐めきってた相手にあっさり首飛ばされたんだから、しばらく再起もできないんじゃないかな。お前のお説教も利いてるだろうし……ざまぁないね」  わざと話をズラし、気を逸らそうとしてくれる兄。  その気持ちはありがたかったが、だからといって身体が楽になるわけではなかった。  少しずつ泉に薬が溶けていっている気はするものの、こんなペースじゃあと何時間かかるかわからない。やっぱり直接抱いてもらった方が早い。 「兄上……」  アクセルは肩越しに兄を振り返り、濡れた目で訴えた。 「何とか、して……」

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