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第1738話*
「わかった? お返事は?」
「……はい、兄上……」
小さく頷いたら、兄はにこりと笑って「いい子いい子」と頭を撫でてくれた。こうやって撫でながら褒められるのは昔から好きなのだ。
穏やかに兄が続ける。
「自分のことに集中していれば、いずれ他のことなんて気にならなくなる。そうやって少しずつ昔の嫌なことを忘れていくんだよ。実際、私もそうしてきたしね」
「うん……」
「さ、次はいよいよ決勝だ。相手はとんでもない強敵だけど、優勝目指して頑張って。私は全力で応援してるからね」
「……わかった」
そうだ、次はいよいよ決勝戦。トーナメントの優勝者が決まるのだ。
もしこれに勝つことができれば、兄との公式死合いは叶ったも同然。もちろん相手は自分より強いだろうけど、兄と戦うためには絶対に負けられない。
いろいろなことがあったけど、せっかくここまで勝ち上がったのだ。何としても優勝してみせる……!
「……あっ」
そう決意を固めていると、兄が不意にひょいとこちらの身体を抱き上げてきた。
予告なく身体を動かされたので、危うく出されたものを漏らしそうになった。急いで後ろを締めなかったら大変なことになっていたかもしれない。
「あの、兄上……?」
「とりあえず、一度お風呂に行こうか。汚れたところを綺麗にしないとね」
「え……? あの、でも……」
まだ一回しかやってないんだが……と、心の中でツッコむ。
さすがに言葉にはできなかったけれど、いつもならベッドで二回、三回挑まれるのが普通だ。
薬も完全に抜け切れていないし、風呂でリセットするにはちょっと早いような気がするのだが……。
「……大丈夫、お風呂でもちゃんと薬抜いてあげる。あまりやりすぎるとベッドの始末も大変だから、移動するだけだよ」
「っ……!?」
「お前は全部お兄ちゃんに任せて、寝転がってるだけでいい。好きなタイミングでイって、好きなだけ悶えて、気持ちよくなっていればいいんだよ。私は色っぽいお前を見られるだけで幸せだからね」
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