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第1739話*

「っ……! そ……そういう言い方は、なんか恥ずかしい……」  いろんな意味で顔を真っ赤にしていたのだが、兄は構わずこちらを風呂に連行していった。そして椅子に座らせ、シャワーで温かいお湯を浴びせ、付着した体液を洗い流してくれる。そしてスポンジにボディーソープをつけ、せっせと身体を洗い始めた。 「あ、あの……兄上、それは自分でできるから……」  兄の手を掴んでスポンジを奪い返そうとしたのだが、 「遠慮しないの。お前、ただでさえ死合い後でくたくたになってるでしょ? お兄ちゃんに任せておきなさいって」  あっさり躱され、兄に背中を擦られてしまう。 「ち、違うんだ、そうじゃなくて……そうやって擦られると、その……んっ」  スポンジで軽く擦られた途端、びくっと肩が痙攣した。ぞわわっと背筋に痺れが走り、再び下肢に熱が集中してくる。  擦る、という行為は今のアクセルにはとても刺激が強いのだ。中だけでなく肌ですら敏感になっているから、ちょっと触られただけで過剰に反応してしまう。  運ばれている時は必死で耐えていたけれど、風呂場まで連れて来られたら何故か気が抜けてしまい、我慢も利かなくなって余計に身体が疼いてしまった。 「あ、なるほどね。これで感じちゃうのか」  兄がしたり顔で微笑んでくる。 「でも、感じちゃったならそれでいいんじゃないかな。綺麗にしたらまたじっくりやるんだし」 「そっ……! それは、そうだけど……でも……」 「今更恥ずかしがることないじゃない? 私とお前の仲なんだからさ。……まあ、そうやって恥ずかしがってくれるところも、たまらなく可愛いんだけど」 「っ……」 「さ、今度は表を洗うよ。身体こっちに向けて」 「い……嫌だ……っ」  いくら兄が相手でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。  アクセルは中心を隠すように背中を丸め、兄から逃げようと浴室の隅で蹲った。 「こらこら、そんなことしても意味ないでしょ。諦めてこっちおいで」  いやいやと首を振ってみたが、兄が諦めてくれる気配はない。  それどころかわざとらしく溜息をつき、こんなことを言い出した。

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