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第1743話*

「あっ、あっ……いあああっ!」  楔が抜けた途端、ぶりゅ……と後ろから兄の遺伝子が漏れ出てくる。止めたくても自力では止めることができず、下痢のように白濁を撒き散らしてしまった。  同時にぷしゃあぁっと前から水のようなものが噴き上がり、勢い余って首元まで飛び散ってしまう。 「は、ひ……」  あまりに盛大に達したせいで、イってから数秒間気を失っていたようだ。  全身が細かく痙攣し続け、飲み込みきれなかった唾液が口の端からだらだら溢れて、まともな反応もできなくなってくる。呼吸をするのが精一杯だ。 「ありゃ、泡まで噴いちゃってる。ほとんど失神してるね」 「っ……っ……」 「……まあ、ここまでやれば薬はほぼ抜けてるか。少し休憩しよう。お前と遊ぶのは好きだけど、失神してたら楽しくないもんね」  そう言って兄は両腕のタオルを外し、こちらの身体を抱き上げた。そして改めて丁寧に全身を綺麗にしてくれた。こちらが感じすぎないよう、シャワーではなく桶に溜めた湯をゆっくり全身にかけてくれる。  そうして夢うつつのまま兄に世話になっていたのだが、 「……ハッ!?」  唐突に我に返り、がばっと身体を起こした。  気付いたら兄のベッドに寝かされていて、身体も綺麗になって就寝着を着せられていた。腹部の違和感もなくなっていた。 「う……」  外だけではなく身体の中まで洗われる。意識が朦朧としているうちに、中のものも全部掻き出されてしまう。無意識にそんな醜態を晒していたのかと思ったら、なんだかものすごく恥ずかしくなってきた。顔から火が出そうだ。  ――兄上、やりすぎだって……。  心の中で苦言を呈し、アクセルはベッドから下りた。そしてリビングに向かった。 「おや、もう休憩はいいの? 体力回復した?」  兄は軽めの夕食をテーブルに並べているところだった。こちらの調子に合わせてくれているのか、消化しやすい野菜たっぷりのうどんを用意してくれている。そういう気遣いは地味にありがたい。

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