1776 / 2296

第1776話*

 その夜、アクセルは当たり前に寝る準備をしてベッドに入った。なんだか、こうしてベッドに横になるのが随分久しぶりに思えた。 「ねえアクセル」  唐突に、兄がこちらのベッドによじ登って来る。  何となく予想できたものの、期待していたのがバレたら恥ずかしいので、しれっと目を逸らした。 「な、何でしょうか……?」 「いやね、せっかく透ノ国に行ってパワーアップしたんだから、実際に身体がどう変化してるか気にならない? 私はすごく気になるなぁ」 「え、と……それは……」 「鍛錬では絶好調だったんでしょ? それならこっち方面も絶好調だったりしないかな?」 「あっ……」  あっさりと掛け布団を剝ぎ取られ、就寝着の裾から手を入れられてしまう。  胸元を撫でられ、指先でピン、と乳首を弾かれ、ぞくっと背筋が痺れた。  元々敏感な身体は兄に触れられたことであっという間に覚醒し、乳首は尖り、男のシンボルは熱を持って硬くなってしまう。 「あっ、あ……兄上、もう……」 「うん、いい反応。この辺は以前と変わっていなさそうだ」 「は……うっ! ああ、あ、そこは……!」  早くも勃起していた陰茎を握り込まれ、ゆっくりと上下に扱かれてしまう。  それだけで勝手に身体がびくびく痙攣し、刺激から逃げるように腰が揺れてしまった。 「だ、だめ……兄上、そんな……あっ!」 「っ……!」  亀頭をグリッと撫でられた途端、がくんと全身が跳ねて反射的に腕も宙を泳いでしまう。  そうやって無意識に振り回した腕がたまたま兄の頬に当たり、アクセルはハッと我に返った。無意識だったから力加減をしていなくて、結構痛かったのではないかと思う。  案の定、兄は苦い顔をしながら自分の頬を撫でていた。 「もう、殴らないでよ……」 「ご、ごめん兄上……! 大丈夫か……? 殴るつもりはなかったんだ、すまない……」 「うん、本当に絶好調みたいだね。ある意味安心した」  にこりと微笑み、兄は近くにあったハンドタオルを手に取った。それをこちらに見せつけ、こんなことを言ってくる。

ともだちにシェアしよう!