「はぁ……あ、……んっ」 　もじもじと太もも同士を擦り合わせる。 　急に刺激がなくなっても、身体はピタリと快感のスイッチを切ってはくれない。未だに芯が疼いたまま兄を求めてしまう。 　現に縛られた陰茎は萎えることなく天井を向いているし、より一層疼痛がひどくなって早く何とかして欲しい衝動に駆られた。 「う、っ……うぅ……」 　背中を揺らし、もどかしげに腰もくねらせる。 　休憩なんかいらないから、早く兄が欲しい。それがダメなら手を解いて欲しい。このまま放置されるのはあまりに辛い。 「あ、にうえぇ……」 　アクセルは半分泣きながら兄を見上げた。 　もう苦しい。楽になりたい。早く熱を解放させてくれ。これ以上溜め込んでおくのは辛すぎるんだ……。 　その一心で訴えたのだが、兄はわざとらしくこちらを覗き込み、余裕のある笑みを見せてきた。 「おや、どうしたの？」 「どう、って……」 　そんな風に聞かれ、違う意味で泣きそうになる。 　こちらの状況はわかっているだろうに、わざわざ聞いてくるところは本当に意地が悪い……。 「うぅ、う……兄上、も、くるしぃ……」 「うん、そうか。それで？」 「っ、『それで？』じゃない……！　わかってるくせに、意地悪しないでくれ……！」 「ありゃ、なんかキレられちゃったよ。やって欲しいことは口に出して言いなさいって、昔から教育してるはずなんだけどね。『察してちゃん』にならないように」 「でも、こんな……こんな状況で……んっ！」 「はいはい、わかったよ。ホントにお前はこっち方面の堪え性がないというか……何度やっても『我慢』ってものを覚えないんだから。そんなんじゃ途中で力尽きちゃうよって注意してるのに、全然おかまいなしなんだもん」 　兄が半ば呆れながら、こちらの膝を割ってくる。 　――そんなこと言ったって、身体が疼いちゃうんだからしょうがないじゃないか……。 　そもそも、弟を開発したのはどこのどいつだと思う。自分がこんないやらしい身体になってしまったのは、兄の変態チックな調教の賜物ではないか。決して自分のせいではない。