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第1783話*

 頭の中でそう責任転嫁したところで、アクセルはハッと我に返った。  そう言えば、まだ拘束を解かれていない。このままやられたら、より一層苦しみが増してしまう。さすがにそれは勘弁だ。 「あの、兄上……その前に、これ解いて……」  視線を下肢に移し、背中を揺すってアピールする。ここまで力が抜けてしまったら、腕の拘束も必要ないだろう。 「あー……それは……」  だが、兄は小さく首をかしげてこんなことを言い出した。 「まあ、前の紐は外しちゃってもいいか。でも手の方はもう少し我慢ね」 「えっ……!? な、なんで……」 「だって、手を自由にさせるといつ殴られるかわからないんだもの。せっかく快感を味わってるのに、殴られて邪魔されたら面倒でしょ?」 「な、殴らないよ……! もう、そんな力残ってないし……」 「まあまあ。お風呂に移動する時は外してあげるから」  サラッと恐ろしいことを言われ、軽く血の気が引いた。  風呂に移動……って、この後に風呂に行くのは決定事項なのか? というか、それって身体を綺麗にするためじゃなくて、風呂でまたやりまくるためだよな……?  兄が根元の紐を解きながら、続ける。 「それに、縛られてるお前ってなんかこう……特別な感じがしてさ。普段はそんなこと絶対に起こらないじゃない? だから逆に新鮮で、いつもより興奮してくるの」 「こ、興奮って……そんな、あっ!」  熱い先端を緩んだ窄まりにあてがわれ、アクセルはひゅっと息を呑んだ。  亀頭の感触を覚えた途端、ぞわわっと全身に鳥肌が立ち、それだけで軽くイってしまいそうになる。 「っ……は、あ……っ」 「ああ、いいね……。待ちきれなくて花弁がちゅうちゅう吸い付いてくるの、ホント好き。縛られて虐められてるのに何だかんだ悦んでくれるとか……可愛くてしょうがないよ」 「あっ、あっ……! はああぁんッ!」  ずぶぶ……と根本まで挿入され、ガツン、と腹の底を突き上げられる。

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